11月20日(土)ASD基礎講座がZoomで開催されました。今回のテーマは、コミュニケーションを読み解く~彼らと私たちのコミュニケーションの違いを知ろう~ライフサポートここはうす桑原綾子先生がご講演されました。
まずコミュニケーションとは、相手に伝える行為(表出言語)、相手からのメッセージを理解する行為(言語理解)、相互に伝えあう行為と三つの側面があり、具体的には、順番や交代で、伝えたり答えたりする。相手が話している間や理解する間は聞いて待っているというプロセスを繰り返すことだと学びました。その中で、私たちがどう支援していくかについては、表出言語と言語理解は同じ発達レベルとは限らないため、分けて考え、それぞれ丁寧にアセスメントし現在の段階に合わせて支援していくということでした。
次に、表出言語の表出の困難さについては、伝えるということを思いつくことが難しいことや話し言葉を持っていても独特であり、会話に使うことが少なかったりするため、生活に支障をきたしたり、思っていることが言えない時のストレスの高さやしんどさがあるということでした。
そして表現には二つの側面があり、誘発的な言語(応答的なコミュニケーション)と自発的な言語があるということで、どちらも大切な側面であり、支援が必要であるが、誘発的な言語については、ただ単に“誘導された”だけの言葉でも「しゃべれると」誤解されてしまい、自発的なコミュニケーションにつながることがほとんどないということです。つまり“言われたらできる”ということは“言われないとできない”ということになるということでした。
これらを踏まえて、話し言葉を教えることの優先順位は?の問いがあり、どうしても言葉が少ない、あるいは出ない子どもたちに対して声掛けが多くなってしまいがちですが、私たち支援者は、自発的に伝えることが出来ているのか見極めることが大切であるということを今後の支援に生かしていきたいと思います。