障害者相談支援従事者研修を9月の4日間で受講しました。
相談支援の目的は、本人のその人らしい地域での暮らしができるように地域生活支援、自立と尊厳の確保、社会参加、自己決定や権利擁護を尊重し、誰もが暮らすことができる地域づくりを目指すことであると学びました。
講義の内容は、社会福祉援助技術や多職種連携、家族支援、地域資源の把握、障がい者福祉施策の歴史、法律など多岐にわたるものでした。
各分野8名の講師の先生のお話がありました。その中で東京大学、熊谷晋一郎先生の講義の中で、東日本大震災の時に足が不自由で、車いすで避難したかったが、車いすの重さが150キロもあった。エレベーターが止まってしまい、周りの人に支えてもらいながら階段を使わなくてはいけなくなり、車いすでの避難をあきらめたという先生の体験されたお話でした。
健常の方の多くは、エレベーターや階段、ロープやはしごを使って(依存して)逃げることができる。足が不自由な障がい者の方は、エレベーターが止まったら依存先がゼロになる。このことを踏まえて、障がいがあってもなくても目標は同じであり、ニーズを実現するための資源の数が違った。資源の数というのは依存先の数であり、依存することで、初めてニーズが実現するということでした。
依存と自立は反対語ではない。自立というのは依存先の分散であり、健常な子どもの多くは、自然に依存先が成長と共に広がっていく。高機能障がいのある子どもは、依存先が広がらず、養育者や施設に集中してしまう。専門的な施設や家族以外の場所に、たくさんの依存先を開拓していくサポートをするのが相談支援員であるということが強く心に残りました。