9月11日(土)ASD基礎講座がZoomで開催されました。今回のテーマは、「見通しを伝えるための支援」ライフサポートここはうす桑原綾子先生がご講演されました。
まず前回の講座の感想や質問から始まりました。いくつか紹介すると、外出時パニックになった時の対応では、あらかじめカームダウンできる場所を決めておいて移動し、安全を確保すること。異性に会いに行こうと衝動的になるケースでは、会いに行くことを止めてしまうのは権利侵害であり、正しい異性との関り方を教えることが大切であるということを学びました。
次に物理的構造化について、導入時に必要なことは、普段の生活、課題をしている時の様子や体のサイズなど、色んな情報を集めることが大切であり、陥りやすいところについては、自然なかんじではない、つい立てが多すぎたり、迷路みたいに不必要なまでの構造化であってはならないと具体的で分かりやすい内容でした。また構造化をしたから、すぐに理解ができるわけではなく、利用者の方も一緒に構造を学び、分からないのであれば、再構造化のチャンスと捉えることを学びました。
そして、見通しを伝える“スケジュール”についてお話がありました。スケジュールとは視覚的に「いつ」「どこで」「なにを」の情報を伝え、見通し、変更を伝えるものであることです。イラストを使っての説明では、女の子が、話し言葉が分からない幼い子どもをおやつのエリアに手を引き連れていく場面がありました。幼い子どもはどこに連れて行かれるのか分からず不安だったと思います。そこでコップやエリアの写真を見せると、見通しとなり安心して、おやつエリアに行くことができました。
またスケジュールは、生涯続く変更があるもので、本人が必要としている、その人に合ったものが大切であると学びました。
スケジュール支援の奥深さとは、分かって移動しているのと分からず移動しているのとでは、質の違いが大きいということを知りました。
見通しを伝えるためのポイントを具体的に学んだことで、日々の支援を振り返り、利用者の方の利益を目的に、将来を豊かに生きる自立への一歩を保障する支援であることが大切だと強く感じました。