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TEACCHトピックセミナー

 3月6日(土)、TEACCHトピックセミナーがZoomで開催されました。今年のテーマは、「ASDをめぐるTEACCHとその関係領域」でした。
 初めに川崎医療福祉大学の諏訪利明先生が「TEACCH Autism Programについて」ご講演されました。TEACCHとは、自閉症およびコミュニケーションにつまずきをもつ子どものための治療教育で、2012年にはTEACCH自閉症プログラムと改称されています。TEACCHは、自閉症が自閉症のままでよりよく生きるためのプログラムで、アメリカのノースカロライナ州で生涯にわたり提供されているサービスです。家族と協働しながら、自閉症の人たちの学習スタイルに合わせ、個別にかかわり支援していくことの大切さを再確認しました。
 次に、ABC研究所の今本繁先生が「ASD支援における応用行動分析ABA」についてご講演されました。応用行動分析では、人の行動に着目し、行動が環境との相互作用によって起こるとき、活動の前(先行事象)と活動の結果(後続事象)が関係しているならば、ある行動を増やし(強化)、ある行動を減らす(弱化)、ある行動をなくす(消去)ために介入することができるというものです。実践では、標的行動を決め、行動を記録し可視化、アセスメントして仮説を立て介入法を決めます。その後、実践し記録を可視化、行動の変化を確認するという流れです。丁寧な過程を踏むことの必要性を感じました。
 最後に、神戸親和女子大学の古川心先生が「ASD児へのParent-Child Interaction Therapy(PCIT:親子相互交流療法)についてご講演されました。PCITは、2~7歳までの子どもとその親を対象とした心理療法で、子どもの問題行動や親の育児困難の改善に効果があるとされている療法です。PCITでは、親子同時にセラピーを受け、親子の相互交流のパターンに着目し、適切なところを増やし不適切なところを改善していきます。セッション中は、子どもに対して、ほめる、繰り返す、真似をする、描写する、楽しむことを行い、質問する、命令する、否定、批判をしないようにします。また、不適切な行動には反応しないことで対応します。かかわりを変えることで、親子の関係性がプラスに変化することを知りました。
 今回の研修を受け、様々なプログラムや心理療法があることを知り、対象者に一番合う支援を選び、提供することが大切だと感じました。また、それぞれのエッセンスを上手に療育や相談に取り入れることで、対象者に寄り添い向き合うことができるのではないかと思いました。

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