5月30日(日)、臨床発達心理士の更新研修を受講しました。今回は、「発達障害における感覚処理特性のアセスメントと支援」についての講義でした。講師は、北海道教育大学旭川校の萩原拓先生です。
感覚処理特性の理解は、誰にでもあるものだが、心理的な要素も作用し、客観的に正確に把握することが難しいことが課題である。論文によると、自閉スペクトラム症の40~90パーセントが何らかの感覚異常をもっているというデータが出ているそうだ。
今回の研修では、日本版感覚プロファイルを使用した感覚処理特性のアセスメント方法を詳しく教えていただいた。感覚異性は、ふるまいとして表出されるため、他者から見えない、理解されにくい感覚異性は、認知や行動、社会性の問題ととらえられやすい。本人をより理解するために、他のフォーマル検査と合わせて多角的にデータを収集することで、特異的行動や環境不適応における感覚処理特性の存在の有無を確認することができる。
触覚、前庭覚、固有覚、視覚、聴覚、口腔感覚(味覚・臭覚)など、個人の感覚特異性を知り、環境の整備をしていくことが合理的配慮である。そして、マンパワーが得られやすい学齢期のうちに、環境調整とともに、本人が学習可能なスキルを身につけ、必要なツールを活用し、成人期の生活が安定したものになるよう支援していくことが重要であるということを学んだ。