4月13日、コロナ感染拡大予防のためゆいねっとStudy倶楽部が中止になりました。その時間を利用して、職員研修を実施しました。講師は、ライフサポートここはうす統括所長の桑原綾子先生です。
桑原先生は、昨年、TEACCH実践の本場、アメリカのノースカロライナ州のGHA自閉症サービスに視察研修に行かれました。ノースカロライナ州は、州全体でTEACCHによる自閉症支援を行っています。桑原先生が学んでこられたことを写真を交えてご報告いただきました。
GHA自閉症サービスは、ノースカロライナ州のアルバマーレにあるNPO法人です。はじめは少人数の支援者と地域の人で自閉症の方のグループホームから始めたそうです。今では、人口約5万人のアルバマーレで、100人の自閉症の方に対し、250人の従業員で支援を行っています。
学校や地域の事業所で対応が難しい強度行動障がいと言われる方を受け入れたり、農場を基盤に日中支援を行ったり、アニマルセラピーを取り入れたり、喫茶(スターバックス認定)を運営したりと、幅広い支援を行っています。
GHAでは、職員のQОLの促進のために、「支援と結果の改善」「スキルと自立の増大」「自己の権利擁護」「自閉症の特性に配慮」「職員の育成」をあげています。福利厚生や給与だけではなく、支援の質の向上が職員のQОLに不可欠であるという考え方です。
桑原先生のお話の中では、「利用者から自分にまつわる家事を取り上げないこと」「利用者の能力を生かし、特徴に合うものを準備する」「やることが必ずある」「構造化のすばらしさ」などを実感することができました。
私も2年前にGHA自閉症サービスに視察に行きましたが、一人一人に用意された十分な支援と、権利擁護の考え方と、利用者の方の幸せそうな様子が印象的でした。GHA自閉症サービスのCEОの方の一言を思い出しました。「パッションが必要」だという言葉。
桑原先生の研修を受け、2年前の視察も思い出し、私たちは、日本の愛媛県新居浜市で何ができるのか、考える機会をいただきました。TEACCHを学び、様々な支援技術を駆使しながら日頃支援をさせていただいていますが、改めて、利用者の方に対して希望や期待を持って必要な支援をしていくべきだと思いました。利用者の一人一人に対し、「構造化を駆使して、使いこなせるように」なりたいと思いました。