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TEACCH~幼児期から成人期までのトータルサポート~

11月28日(土)、第185回国治研セミナーのウェブ研修に参加しました。今回のテーマは、「TEACCH~幼児期から成人期までのトータルサポート~」です。講演者は、小児療育相談センターの幸田栄先生、早稲田大学の梅永雄二先生、香川大学の坂井聡先生、東京都立港特別支援学校の佐々木敏幸先生です。
幸田先生の『幼児期の発達と生活サポート』では、自閉症の学習スタイルを大切にした子育てをするための支援方法や工夫を、写真資料やイラストを交えて具体的に説明していただけ、とても分かりやすかったです。
どの年代でも「肯定されること」「安心して過ごせること」「できたの経験をすること」が大切です。日々の子育てや療育の中で、【人は環境である】ことを忘れずにいようと思いました。
梅永先生の『幼児期から成人期までのトータルサポート』では、ライフスキルの大切さをお話しいただきました。ライフスキルとは、日常生活で生じる様々な問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対処するために必要な能力のことです。例えば、朝決まった時間に自分で起きる、髪をセットすることができる、歯磨きをすることができる、掃除ができるなどです。成人期の就労を目指すときには、まずライフスキルを獲得し、その上にソフトスキル(人とのかかわりスキル、職業生活遂行スキル)を、その上にハードスキル(職務の遂行スキル)を積み上げることで就労を継続させることができます。
就労を目指すとき、ハードスキルばかりに目がいきがちですが、ライフスキルの獲得は幼児期や学齢期にとても大切な学びであり、今後も保護者と協力してライフスキル獲得の支援を考えていきたいと思いました。
坂井先生の『教育現場におけるコミュニケーション』では、コミュニケーションの基本概念を押さえつつ、自閉症のある子どもの抱える困難さ、必要な支援と適切な指導をまとめられました。強度行動障害に有効な方法として、投薬が5割であることに対し、10割の構造化に次いで、表出性のコミュニケーション支援が8割有効であるという調査結果に納得しました。
佐々木先生の『ノースカロライナ TEACCHプログラム 視察研修2019報告』では、2018年に来訪したノースカロライナの取り組みを懐かしく拝見しました。また、自閉症の終末期を支えるための医療センターの建設やCSESA(シーサ)という新しいプログラム紹介があり、進化しているノースカロライナの取り組みに感動しました。
TEACCHの研修を受けるたびに、自閉症の方とその家族の方の幸せのための支援の重要性を感じさせてもらうことができます。初めてのウェブ研修でしたが、愛媛にいながら貴重な学びができたことに感謝の気持ちです。

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