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【研修報告2】ゲーリー・メジボフ先生の講演会

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<研修目次>

1.ゲーリー・メジボフ先生の講演会

2.自閉症の学習スタイルについて

3.構造化された指導について

4.自閉症支援でもっとも大切なこと


 


 

2. 自閉症の学習スタイルについて

 
 
 カナーやアスペルガーといった専門家が1900年代半ばに提唱した自閉症の診断や症状は、はじめは母親の冷たい養育態度が原因とされ、母親と引き離すことで改善されると思われていたそうで、ドイツのブルーノ・ベッテルハイムが自閉症のための初めての学校オーソジェニック・スクールを作りました。ブルーノは、親から子どもを引き離し学校に入れました。
 
 アメリカノースカロライナ大学TEACCH部の創設者で初代部長のエリック・ショプラーは、このオーソジェニック・スクールが当時自閉症の支援の主流だったため、1年間勉強に行きましたが、保護者を非難し、何の構造化もされていない場所での教育が、自閉症の子どもたちにとって適さないという体験を通して、TEACCHプログラムの研究、立ち上げに至ったそうです。
 
 エリック・ショプラー先生は、保護者が子どものことをよく知っていて、保護者を支えることが子どもたちの支援につながると考え、保護者のエンパワメントに力を入れられました。そして、ゲーリー・メジボフ先生もショプラー先生とともに認知行動理論と正の強化の理論をもとに、自閉症の反応が脳の機能の違いによるものであること、自閉症に適した支援についての探求を始められたそうです。
 
 TEACCHでは自閉症を文化として考え、支援者は自閉症の人たちとそうでない人との橋渡しであると考えています。自閉症の人たちは、視覚的に学ぶことが得意であり、物事のつながりの理解に少し時間が必要で、理由をはっきり伝え理解を促すことが必要です。また、複数のことを1度に調整する(空港の管制官ような)整理統合は難しいが、記憶はとてもよいこと、たくさんのものに注意を向けることは苦手で細部に注目することが得意なこと、光・気温・音・触覚など刺激を強く感じるなど、自閉症の学習スタイルをわかりやすく再確認させていただきました。 
 
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